相続手続き について
1 相続手続きの流れ
⑴ はじめに
ご家族が亡くなられると相続が発生し、各種手続きが必要となります。
とりわけ、
①遺産の承継手続き
②税金関係の手続き
が二本柱となります。
また、死亡届をはじめとする各種届出の手続きも不可欠です。
名古屋は人口230万人を超える大都市であり、相続は誰しもにとって避けては通れないものであることからすると、名古屋あるいはその近郊にお住まいのお客様の中にも、相続手続き、とりわけ遺産の承継手続きについてお悩みの方も多いのではないでしょうか。
以下、遺産の承継手続きの流れについてご説明したいと思います。
⑵ 相続人調査
遺産を承継するためには、承継する人(相続人)が誰なのかを調査する必要があります。
これを、一般的に「相続人調査」と言います。
⑶ 相続財産調査
遺産を承継するためには、まず、承継される対象となる財産(相続財産)には何があるかを調査(及び評価)する必要があります。
これを、一般的に「相続財産調査」と言います。
相続財産には、預貯金や不動産等のプラスの財産もあれば、負債等のマイナスの財産もあります。
また、中には相続財産とみなされないものもあるため、注意が必要です。
⑷ 遺言調査
さらに、亡くなられた方(被相続人)の有効な遺言がある場合には、法律上の相続人・法定相続分の規定にかかわらず、原則として、遺言の内容に従って遺産の承継が行われるため、亡くなられた方(被相続人)が遺言を残していたかどうか、あるいは、遺言を残していた場合にはその内容を調査する必要もあります。
これを、一般的に「遺言調査」と言います。
⑸ 遺言執行の場合の遺産承継手続き
上記、相続人、相続財産、遺言等の各種調査が完了すると、遺言の有無により、各遺産の相続手続きを行います。
有効な遺言が存在し、当該遺言に相続財産の承継に関する記載(「遺産は全て誰々に譲る」等)がある場合には、原則として、遺言の記載に従い、遺産の相続手続きが行われます。
これを「遺言執行」と言います。
遺言執行について、金融機関に対する遺産の相続手続きを例にご説明します。
前提として、遺言執行は、「遺言執行者」と呼ばれる者がその手続きを行います。
遺言執行者は、遺族であれば誰でもなれるというものではなく、遺言執行者となり得る者は法律で決められています。
具体的には、亡くなられた方が遺言の中で予め指定しているケースもあれば、遺言内で指定がなく裁判所が選任するケースもあります。
遺言執行者は、必要書類(遺言の種類等により異なります)を揃え、金融機関の窓口に相続届を提出することで、遺産の承継、すなわち預金等の解約・払戻しまたは名義変更を行います。
そして、遺言書に記載された内容に関する手続きの全てが終了した段階で、遺言執行は完了となります。
⑹ 遺産分割の場合の遺産承継手続き
遺言がない場合には、原則として、相続人全員で協議のうえ、相続財産の分け方を決定します。
これを「遺産分割協議」と言います。
なお、各相続人の相続分の目安は法律上規定されていますが(=法定相続分)、遺産分割協議によって相続人全員が合意すれば、法定相続分と異なる割合で分割することも可能です。
無事に相続人全員が合意に至ると、その内容で遺産分割協議書(相続人全員の署名・実印での押印)が作成されます。
遺産分割協議書による手続きについて、金融機関に対する遺産の承継手続きを例にご説明します。
相続人代表者は、必要書類(遺産分割協議書、相続人全員の印鑑登録証明書等)を揃え、金融機関の窓口に相続届(相続人全員の署名・実印での押印)を提出することで、遺産の承継、すなわち預金等の解約・払戻しまたは名義変更を行います。
⑺ 当法人でできること
当法人では、相続手続きの前提として必要不可欠な、相続人調査・相続財産調査・遺言調査等を代行いたします。
また、預貯金口座の解約・払戻しまたは名義変更、預貯金以外の各遺産の名義変更等、個別具体的な遺産の相続手続きを代行いたします。
上記一連の調査については、お客様ご自身で行っていただくことももちろん可能ですが、調査が相当の負担となるケースもあります。
また、預貯金口座の解約・払戻し等の手続きは、事前に予約をとった上でお客様ご自身で窓口に実際に出向く必要があり、相当の時間と労力を要する手続きです。
例えば名古屋等の大都市であれば、各金融機関の支店が比較的多く設置されていますが、金融機関の中には、亡くなられた方が預金等を開設したまさにその支店でなければ手続きが行えない場合もあり、遠方であればあるほどその負担は大きくなります。
こういった手続きを我々が代行させていただくことで、お客様のご負担を少しでも減らすお手伝いをさせていただければ幸いです。
当法人は、相続手続き等に関するご相談は原則無料となっております。
名古屋にお住まいのお客様、あるいは名古屋近郊にお住まいのお客様におかれましては、名古屋に拠点を置く当法人の行政書士にお気軽にご相談いただければと思います。
2 金融機関での相続手続き
亡くなられた方(被相続人)の預貯金等に関する相続手続きの流れについてご説明します。
⑴ 金融機関への連絡と「口座凍結」
まずは、預貯金口座の名義人が亡くなった事実を、各金融機関に連絡します。
その際、各金融機関に相続手続きの流れを確認し、必要書類(所定の用紙等)一式の送付を依頼します。
金融機関が預貯金口座の名義人の死亡を把握すると、当該口座の入出金等が停止されます(=口座凍結)。
これにより、従前の口座振替あるいは継続的な振込入金も出来なくなりますので、予め引き落とし口座等をご家族名義のものに変更しておく等、注意が必要です。
⑵ 残高証明書等の発行依頼
次に、各金融機関に対して、相続発生日(預貯金口座の名義人の死亡日)現在の残高証明書の発行を依頼します。
残高証明書の発行依頼は、相続人が複数人いた場合でも、そのうち1人が単独で行うことができます。
また、残高証明書の発行依頼時には、預貯金口座名義人の死亡がわかる戸籍謄本等、依頼者が相続人であることがわかる戸籍謄本等、及び各種手数料が必要となります。
各金融機関から発行された残高証明書を確認することにより、各金融機関に存在する相続財産の具体的な金額を把握することができます。
なお、「ゆうちょ銀行」については、残高証明書の発行依頼とあわせて、「貯金等照会書」を提出します。
⑶ 必要書類の収集
各金融機関に提出を求められた書類等を収集します。
金融機関によって求められる書類に多少の差異はありますが、一般的には、以下の書類等が必要となります。
①各金融機関所定の相続届
②亡くなられた方(被相続人)の出生から死亡までの連続した戸籍謄本等(戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍謄本)
※上記戸籍謄本等の提出に代えて、認証文のついた法定相続情報一覧図の写しが利用できるケースもあるので、確認が必要です。
③相続人全員の戸籍抄本
※有効な遺言書がある場合には、払戻しを受ける者のみで足りるケースもあります。
④相続人全員の印鑑証明書
※有効な遺言書がある場合には、払戻しを受ける者のみで足りるケースもあります。
⑤(有効な)遺言書(※ある場合)
⑥遺産分割協議書(※ある場合)
⑦通帳、キャッシュカード、貸金庫の鍵等
⑧手続きを行う者の身分証明書等
⑷ 書類一式の提出
各金融機関に、所定の用紙及び必要書類一式を提出します。
なお、窓口は基本的に当該口座がある支店であることが多いですが、場合によっては、最寄りの支店での手続きを受け付けているケースや、相続専門の部署で手続きを行うケースもありますので、事前に確認が必要です。
⑸ 預貯金等の承継
預貯金等の承継方法は、①解約・払戻しまたは②名義変更です。
この点、預貯金の種目によってはどちらか一方しか選択できないケースもあります。
⑹ 完了通知書等の受領
預貯金の承継手続きが完了すると、各金融機関から完了通知書等が届き、当該金融機関での相続手続きは全て終了となります。
⑺ 当法人でできること
このように、金融機関での相続手続きは非常に手間がかかる手続きであり、預貯金等が複数の金融機関にある場合や、金融機関の窓口が遠方の場合には、さらに負担は大きくなります。
当法人では、遺産整理業務として、金融機関における預貯金等の解約・払戻しまたは名義変更の手続きを代行いたします。
まずはお気軽に当法人の行政書士までご相談いただければと思います。